「古九谷浪漫  華麗なる吉田屋展」松屋銀座

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「古九谷浪漫  華麗なる吉田屋展」
松屋銀座8F大催事場
2005年12月30日〜2006年1月16日
http://www.matsuya.com/ginza/topics/0116e_kokutani/index.html

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 1655年ころから始まり40年あまりで途絶えた古久谷。それを120年後、大聖寺城下の豪商、吉田屋の四代豊田伝右衛門は私財を投じ、職人を呼び寄せ再興しようとしたそうで、その作品の展示会が今回の吉田屋展である。
 大胆な構図と、華々しい色彩が印象的。花や草など身近なものから、読み物の一部を絵にしたり、生活の息遣いが感じられる。どのモチーフも独特の抽象化がされ、かわいさすらも感じる。そのなかでも松の絵は驚きである。梅でも、竹でも、図案をみて「あ、梅だな」とすぐわかるのに、松だけは、どうみたら、松ってこうみえるのであろう・・・、と思わず、考え込んでしまった。
 文人趣味のなかでこそ発展してきた要素と、自由さが他の焼き物と違うなあ、と素人ながら感じた。とはいえ、個人的には、実は色づけの下の陶器の素地がきれいな青みがかった灰色で一番気に入ってしまった。この素地だけの器もなかなかキレイに違いない。