「前川國男建築展」東京ステーションギャラリー

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モダニズムの先駆者生誕100年 前川國男建築展」
東京ステーションギャラリー
2005年12月5日〜2006年3月5日
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

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 芸術、文化をより多くの人が楽しめる美術館や文化会館、集合住宅、博覧会に企業社屋。これほどの建物の設計に関っているのだと驚く。今では当たり前の大規模な建物は、当時としては新しい社会や文化づくりの一歩だったのだな、と感じる。
 個人的には、森永キャンデーストア、新宿紀伊国屋書店の建物が印象的。道路に面している正面がガラス張りで、店舗としての開放感というか、入りたくなるような入り口である。また、店舗名を立体的に表している看板がかわいい。店舗=購入の場ではなく、その空間を楽しむ、例えば紀伊国屋書店の場合、本を買う人のための空間ではなく、本の好きな人が楽しめる空間になっているようで、時間の使い方を提案しているようにも思う。
 今乱立しているような建築ではなく、社会との関わり、人との関わりのなかで必要な建築であったことが伺える。それにしても、指名建築だけではなく、コンペへの参加、論文の発表など、精力的な取り組みに、年表をみるだけでも、建築家としての(仕事の)責務的な息づかいを感じる気がする。見応えのある展示会であった。