「木村伊兵衛展」東京国立近代美術館

 美術館の4階から2階にわたり常設展に交えて展示されており、断片的な会場のつくりにちょっと集中力が途切れるかな〜と思いましたが、2階にまとめた展示室があり、木村伊兵衛の世界の一部を満喫できました。
 枠から飛び出してきような動きのある写真、かつ生活や社会をかっちり切り取った写真。光りのコントラスト、構図がとてもシャープで、真正面から受け止めないといけないオーラが出ており、最後は息絶え絶えで観賞。


 気に入った作品は、
●宣伝写真「ライオン歯磨」:歯磨き粉のパッケージがハブラシに溶け込んでいく、黒のグラデーションがとても美しい。現像された紙の影響なのかわからないけど、画面が艶やかで黒の深みがすごい。
木村伊兵衛の写真に原弘のデザインしたポスターや本など:写真自体もキレイなのですが、そこに色や筆を加え、さらに文字が入るとまた別の魅力が。ロシアアバンギャルド的な雰囲気の作品も。
●「車窓 秋田」:冬の秋田の駅で、電車から撮った写真。電車のなかと外との温度差が窓の曇っている様子から感じ取れます。霞んだ感じがとても好き。