「リキテンスタイン版画の世界展」名古屋市立美術館

 リキテンスタインの作品は特に好きなわけではなかったので展覧会は初めて。たまたま時間があったのでちょっと寄ろうかな〜と思った程度の興味だったのですが、実際作品をみていくうちに、楽しくなってきて、とても満足した展覧会でした。
 「積み藁」「大聖堂」は●(丸)のみを使った連作なのですが、同じ丸を使っている風景が、色使いや丸の密度によって印象がかわっていき、同じモチーフの絵がまるで別々のモチーフにみえとても興味深かったです。
 また、「牡牛」は牛がどんどん単純化、抽象化されてく連作なのですが、単作では「これ、ホントに牛かな〜」と思うものが、連作であることによって「牛」にみえるところがとてもおもしろかったです。
 個人的に好きだったのは、「金魚鉢」と「ランプ」。平面化された絵のなかでなぜか立体感を感じる作品でした。単純化された絵のなかで、様々な柄が交錯し、そのなかで立体感が生まれる、うむ、なるほどと美術館のなかで作品を前に唸っていました。