夜を楽しむ

夜の信号機

 いよいよ今年もカウントダウンになって、仕事も業務をこなすくらいでのんびりとーなんて思っていたら、逆に休み前の駆け込みのように打ち合わせがどどどんと入って体力消耗。3時間の打ち合わせが終わったあとには余力も残っておらず、ぼーっとしてしまうもそのあとも2本…。
 帰って家でご飯、というのも面倒なので、tibと待ち合わせをして、久しぶりにM's barへ。いつになく混んでいてカウンターへ。軽い食事とビールを頼む。カウンターの向こうではお店の人がひっきりなしに入る注文に、手際よく1つ1つ対応している。カクテルだったり、ウイスキーのロックだったり。レモンやライムをスライスしたり、シェイカーをふっていたり、氷を砕いていたり。どの動きも無駄がなくうつくしい。お店のスタッフ同士もあうんの呼吸でスムーズに流れている。
 思わず見とれてしまう。で、久しぶりにウイスキーが飲みたくなった。こういう雰囲気のなかではいつも飲むお酒ではなく、なにか新しい味に出会いたいなあと思う。メニューを何回も見直して、グリーンスポットという、アイリッシュウイスキーをロックで頼んだ。
 お店の人が目の前で氷を砕き、軽く氷をまわしたあと、ウイスキーを入れてくれた。香りが高く、とてもまるい感じの味であった。目の前のウイスキーのボトルを静かに眺めながらゆっくり飲む。数時間前に忙しく動いていた時間がいつのまにかとてもゆっくりした時間にかわり、気持ちがとても落ち着いてきた。「もう1杯いかがですか?」との声に、もう少しこの雰囲気を味わいたいなあと、同じものを頼む。
 「今日はとても混んでいてばたばたしてすみません」とマスターが簡単なおつまみを出してくれた。少しだけ話をして、また静かに飲む。お店をあとにしたのはもう2時近くだったけど、とても気持ちがよく、家まで歩いて帰った。